小さなしあわせの花

〜かわいいは正義である〜

三度目の夏、二度と会えない君

 

 

 

 “ 風 is I ? ” -2017.08.04~2017.08.08-

 

 

「それはたった一日の物語」

 

 

 

 

三度目の夏がやって来た。

 

 

 

 おかえりふうまくん、おかえりわたしたち

ただいま、TDC。

 

 

1年前、「また遊ぼうね」なんて目に見えない言の葉を残していったふうまくんが今年も遊んでくれた。

二度と戻らない2016年の夏を2017年の夏で上書きする。

 

今回もエモくて、寂しさはもちろんあるけれどそれよりも楽しかった、最高だった、そんな気持ちが強くて、それを少しでも残したくてストーリーをそのまま書くことにした。

 

 

今年一緒に遊んでくれたふうまくんの仲間たちはSixTONES。グループであることによって色がぶつかってしまうのでは…?という心配もあったけれど、そんな心配要らなかった。なんならSixTONESじゃなきゃこの物語は完成しなかっただろうなと思う。

その6人とふうまくんの物語は少年の語りから始まる。

 

ピッピッピ……ピ─────(心電図音)

10年前の今日、僕は死んだ。

不思議と理由とかそういうのは覚えてない。

8月に入ってすぐ、

これから夏休みが始まる頃だった。

後悔ばかりのあまりにも早すぎる旅立ちだった。

恥ずかしいことにまだ一度も恋も、ハグも、キスもした事がない。

ただやっぱり生きているうちにビキニのお姉さんは見たかったな…。

この際、ビキニのサイズは問いません!

そんな後悔ばかりの僕に一日の猶予が与えられた。

そう、今日、僕はもう一度やり直す。

12歳の僕ではなく、10年後の22歳になった僕の姿で。

二度とこんなチャンスやってこないからな。

やりたいこと、全部叶えてやるよ。

 

10年前に死んだ12歳の風磨くん。その12歳の少年の語りから、「10年後の22歳になった僕の姿で…」から22歳の風磨くんの声に変わる。

1曲目は『But...』タキシードにサングラスを掛けた風磨くんが赤いソファーに座って現れる。ストも黒ベストのスーツだったので、死を迎えた世界から人間の世界へ降りるための正装なのかなとも思う。

『LOVE CHASE』と続き、『Tokyo Sinfonietta』ではレーザーが足を辿って行くシーンがある。何もかも色づいていく東京の街に少しずつ足跡を残していく。

『fragile』でジャケットを脱ぎ、サスペンダーと蝶ネクタイを付けたままスタンドマイクで歌う。「花びらが風に吹かれ命のように散っていく」「確かに生きている」そう歌う22歳の風磨くんはなんだか切なくて、儚く思えた。

『東京ドライブ』でサスペンダーと蝶ネクタイを取り、白いワイシャツの裾をズボンから出して腕を捲る、そしてみんなでサングラスを掛ける。着崩した風磨くんは人間の世界に戻った証のような気がする。「僕らが夢に見てきた明日へ飛び出そう」後にみんなでドライブするのが夢だったと語る彼らはこうして夢に見てきたことを一つずつ叶えていくのだろう。

 

ジェシー

これは夢なのか?

風磨が戻ってきた。

あいつが死んでからもう10年だ。

あれから俺らは噛み合わなくなった。

ボタンを掛け間違えたまま大人になってしまった。

あいつはいつも急で、ふざける時も全力だった。

一緒にいると疲れるけど楽しかった。

時々あの頃に戻りたくなる。

だからこの際夢であってもいい。

またみんなと腹の底から笑い合いたい。

Prrrrr....(FUMAからの着信音)

-どうした?

-お前はいつも急すぎるんだよ!

-え!?どこにいるんだよ!?

-後ろ!?

 

『SHAKE』ラフな洋服を着て、待ちに待った仲間との10年越しの再会を喜ぶ。チョーベリベリ最高な気分でヒッピハッピシェイク騒ぎまくる。

続いて『夢でいいから』は風磨くんでもありジェシーくんでもある胸の内のような気がする。あいつが戻ってきたのは夢なのか?「それは夢じゃない IT'S REAL」「本気かな?そうたぶん 気まぐれ 嘘でもいい もう時間が無い」彼らが共に過ごせる時間は一日だけ。再会の喜びと共に別れのタイムリミットは迫る。

『TIPSY LOVE』「Is this for real ?(これは現実?)」「If I said do you love me would you say Ye-oh (もし僕が君に「僕のこと好き?」って聞いたら、君は「好きだよ」って言ってくれる?)」\Ye-oh/ 「If I said do you need me would you say Ye-oh (もし僕が君に「僕のこと必要?」って聞いたら、君は「必要だよ」って言ってくれる?)」\Ye-oh/\/←C&R  

まるで健人くんがするような甘いC&Rを、風磨くんとしているみたい。まあ、しているんだけど、ね。

そして風磨くんの新曲『My Life』(以下、歌詞)

(メモしたやつなので間違えてたらすいません。)

tutatata tutalatata latatalala (wow)×4
First time 目が合って刹那に感じた
Last time 恋愛 君以外はもういない
From 太陽
“shots of tequila”のお誘い
さざ波 Hにrhythm刻む
It was a dream
but it wasn't a dream
溶けるほど愛す
You are like an ice cream
I wanna spend the life with U
Baby I love you
and I just want you
2人ならお似合い
Got feelin' like...(Yeah...)
Welcome to the good life(Yeah...)
Welcome to the good life
Bye-bye なんてもう二人は言わない
隣で So say good night
Got me feelin' like...(Yeah...)
Welcome to the good life(Yeah...)
Welcome to the good life
tutatata tutalatata latatalala (wow)×4

“shots of tequila”が効いてきた?
よろめく君がまた聞いてきた
太陽の合図で Say cheers
Sorry さざ波二人の裾濡らす
“Oh wait...”なんてわざとらしく呟く
言い訳工作して脱がせ合う
このまま君を Escort to the room
It was a dream
but it wasn't a dream
溶けていく 共に
We are like an ice cream
I wanna spend the life with U
Baby I love you
and I just want you
2人ならお似合い
Got feelin' like...(Yeah...)
Welcome to the good life(Yeah...)
Welcome to the good life
Bye-bye なんてもう二人は言わない
隣で So say good night
Got me feelin' like...(Yeah...)
Welcome to the good life(Yeah...)

染めていく Suset
求める You said
潮 月より君満たすこと優先
またじゃれ合い 抱き合い
性懲りもない
刻む Beat 加速して果てたい
偶然じゃない 運命にDive

ずっと僕のそばにいて
笑ってて My Love
Let me hear your voice...(Yeah...)
離さない My Love (Yeah...)
永遠に My Love
いつもいつだって思うよ
Baby baby 愛してる
Let me hear your voice...(Yeah...)
いつまでも My Love(Yeah...)
このままでも My Life
tutatata tutalatata latatalala (wow)×4

Wow... It's curb your night
Wow... Welcome to the good life

バラード曲かと思っていたら結構テンポのあるオシャレな曲だった。風磨くんらしいと言えば彼らしさがある。あのがっつりと踊らない少し緩めのダンスが好きだ。公演を重ねる度にこの曲が癖になっていった。

続く『月の幻』ここまでの3曲でかなり大人っぽさを感じる。モニターに映し出される風磨くんと思われる影。その影とリンクしてすれ違う二人の風磨くん。そして現れる女性の影。「目隠しして 首筋から たどってゆく カタチどおりに」だけど「君なんていない 夜が作る幻みたい」と「何度も繰り返し言い聞かす」

『愛ing-アイシテル-』去年の反響を経て、今年も選曲したという。“ 2016年の夏を鮮やかに彩った。あいつが今年も戻ってくる!全米が震撼…したらいいねぇっ!” という映画の予告さながらの映像とナレーションが流れる。ポップアップから後ろ向きで登場する慎太郎くんに会場の笑いが止まらない。もっと盛り上がれと言わんばかりの顔で、上手→下手→真ん中と盛り上がりを繰り返し要求してくる(とにかく顔で)。笑いながらもフーー⤴︎ ⤴︎と盛り上がるお客さんもお客さんでめちゃくちゃ楽しかった。ミニデニムパンツにそれぞれカラフルなタンクトップとクロップドTシャツを着て最高にぶりぶりして踊る7人。恥を捨てたその姿に笑いを超えた “純粋にかわいい” という感情が湧いてくる。

イントロを抜かすと一秒程で終わった『パラダイス銀河』その間にローラーシューズを履いて『SUMMARY』を歌う。例年通り地上エアフライング…とも言い難い、ローラーでヨロヨロ滑りしかできないメンバーたち。あまりのへっぴり腰に笑いに包まれる会場。最後はお決まりの一発芸で締めた。

続いてコントに入る。神が風磨くんの願いを叶えるというコンセプト。テーマは “キスをしてみたい” と “尊敬される父親になってみたい” の2つがあり、公演ごとに変わる。神役の樹くんのツッコミが素晴らしく上手かったし、コントはものすごく面白かった。

『太陽の世界』に続き、『Hello』「昨日とは見違えた世界」「夢じゃない この気持ち」仲間たちと過ごせる時間を精一杯楽しむ。

 MCではワードウルフゲームやウルフマンゲームをして楽しむ。やりたいことをやるだけの空間もなんだかいい。

『First Love』昔から好きだったこの曲を新しい試みでジャニーズ以外のアーティストの曲として選曲したという。「立ち止まる時間が 動き出そうとしてる 忘れたくないことばかり」「明日の今頃には わたしはきっと泣いているんだろう あなたを思っているんだろう」「You will always be inside my heart (あなたはいつもわたしの心の中に居続けるだろう)」「いつもあなただけの場所があるから」 止まっていた6人の時計の針は動き出そうとしているのかもしれない。明日になれば風磨くんはいなくなる。どんな終わりを告げようと、この7人の心の中には風磨くんが、みんなが、居続けるのだろう。

『Amazing!!!!!!』『この星のHIKARI』とSixTONESの曲が続く。「お前らは絶対裏切らないから」「俺らの音色は終わらない」風磨くんとの再会によって、すれ違っていた6人の歯車はしっかりと噛み合ってゆく。

『rouge』黒のシャツを着崩した風磨くんの色気はただ漏れで、ベッドに見立ててライトアップされたガラスの傾斜の上で歌う風磨くんは「Please don't say good bye (さようならは言わないで)」「あと少しだけでいい」と願う。

『...more』日常の幸せ。大切な人と一緒に笑っていられるだけでいい。刹那に感じるその時に「時よ止まれ」もし明日が来ないなら「最後も笑顔を見せて」と。

 

ジェシー

これは夢じゃない。

あいつが戻ってきた。

昔みたいに、くだらない最低で最高な時間がこのままずっと続けばいいのに。

10年か…

何年先のことも計画して将来の夢を語りあって、

子供ながらに大人になる準備してたっけ。

車の種類で揉めたりなんかして、

ムキになって喧嘩になると風磨が皆を止めて……なかった。

とにかく楽しかったし楽しみにしてた。

みんなでドライブがてら海に行こうなんて約束して。

まぁ…叶わなかったんだけどね。

いや、 叶わないと思ってた。

  

『Over Flow』カラフルなアロハTシャツを着て出てくる6人とモノトーン色のアロハTシャツの風磨くん。今年も海で行われた決起集会の映像がモニターに映し出される。風磨くんの運転で7人でドライブして海岸沿いの道を走る。海へ向かって走り出し飛び込む。楽しそうにはしゃぐ姿が妬けるくらい羨ましい。 叶わなかった、叶わないと思ってた、“ドライブがてら海に行こう” という夢。「君と出会ったこの季節を胸に抱いて…」

オレンジ色の照明に変わり、『My Lovin' Season』と続く。「波の音も 焼けた砂も アルバムに残らない君の声も」「最後の一秒まで笑っていたいな」「思い出も紡いでも戻れはしない」「儚く舞う花びらの如く…」思い出にはまだしない、したくない、このままずっと時が止まればいいのに。みんなで笑っていられたらいいのに。

 

ピ──────……ッピッピッピ (心電図音)

はっ…

もう時間か…

まだいきたくない、そっちには。

やっと分かった。

後悔は山ほどあって、

叶えたいことは死ぬほどあったけど、

それは一人で叶えても仕方ない。

いや、そもそも1人じゃ叶わない。

本当はあとちょっとだけ。

こいつらと一緒に遊んでいたかっただけなんだ。

くだらなくてどうしようもない事ばっかりしてずっと笑っていたかった。

家族に恩返しをしたかった。

今はもう戻ってこない。

だから最後にあいつらに伝えたい事がある。

何を?

それは自分でもよくわからないけど、

とにかく伝えたいんだよ。

おい、まだいけるか?

まだいけるな。

あと一踏ん張り…

やってやるよ。

一つだけ願い事を叶えられないだろうか。

もし叶うなら…

 

『It's Going Down!』「Time's up, it's going down! (時間だ。やるぞ!)」「笑って はしゃいで 騒いだnoise 紡いで」楽しかった時間はあっという間で、タイムリミットはすぐそこまで迫っていた。それでも残された時間は目一杯楽しんでやろうよ。3本のレーザーに囲まれる風磨くんは、次第に思い通りにならなくなってきた身体の限界を感じているようで、でもまだまだやりたいことは沢山あるから、やり残したことは沢山あるから、せめて時間が来るまでは…と振り絞るように歌う。

続く『T.A.B.O.O』では力尽きるように歌い、最後は果てたように倒れる。もう残された時間はない。

『リリック』「何気ない言葉が胸の中に溶けて行く」「当たり前のことがどこか美しく見えた」「夢の中で僕ら確かに手を繋いでいたんだ」「広い空へ Fly away (飛び立とう)」夢になってもいい。幻想になってもいい。あいつらが当たり前のことを幸せに感じてくれれば、後悔しない人生でいてくれれば、それでいい。

『喜びの歌』真っ直ぐ「愛してる 愛してる 」と伝えてくれるこの歌が胸に沁みる。普段そういった類いの言葉を口にしないのもあるけれど、風磨くんからの「愛してる」の言葉は100億倍重く感じる。「生きてる ただそれだけで」「泣きそうなときは思い出して ちゃんと俺がいるから」「ずっとそばにいるから」ラップ部分を樹くんが歌うのもなんだか感慨深い。背中を合わせた風磨くんと樹くんの2人はものすごくかっこよく見えた。最終日、感極まった風磨くんが樹くんの肩を抱いていた姿を見たら涙が止まらなかった。そして樹くんも深くかぶったキャップの奥で目に涙を浮かばせていた。

『20-Tw/Nty-』「Thank you for your love」「ありがとう 愛してるよ」「I give you this song for you」生きることは、たくさんの愛があって、たくさんの感謝で溢れている。親への恩返し、ちゃんと出来たかな。

 

風磨くんからの挨拶

「とにかく駆け抜けてる真っ最中の9公演でした。毎年ソロライブをやっていろんなひとに支えられているなと強く感じました。ちびっこJrやスタッフだったり、それこそ僕の同期やジャニーズJr時代を一緒に過ごしてきた仲間たちが支えてくれて、見に来て下さった先輩方や後輩やメンバーもそうですし、頭が上がらない気持ちです。ソロライブをやるにあたって、いつもバックではなくてサポートメンバーとしてやっていて。“菊池風磨”っていう一人のアイドルを表現するには、Jr時代に支えてくれた仲間たちや今支えてくれてる仲間たちを外すことは出来ないし、今ここに僕がいられるのはそのJrたちのおかげだと思っています。僕のサポートメンバーとして支えてくれるのは複雑な気持ちだったんじゃないかなと思うんですけど、快く引き受けてくれて、むしろ背中を押してくれて、嬉しかったなぁ。あと、樹はね、皆勤賞だよね(笑) 忘れられないのが、SixTONESができて嬉しかったんだよね。でもグループがあるのにソロライブお願いするのってどうなんだろうと思ってたんだけど、樹が「俺はどんな形でもお前のステージに絶対立つ」って言ってくれて、最後ラップやってる時グッときちゃって肩抱いちゃったけど、なんかこうくるものがあるよね。北斗と髙地は同じメンバーとして毎日一生懸か頑張ってた仲間だからね。なんとなく声をかけづらかったっていうのも正直あって。でも、ほんとにいい仲間に囲まれたね。俺は…。SexyZoneに戻っても、切磋琢磨していけたらなと思います。ほんとにいろんな人に支えられていると感じたライブです。」

最終日、ヴァサイェガ渉くんが手紙を持ってきた。一瞬固まる風磨くんにヴァサが無理やり渡してくる。「要らない!ほんとにいい!」と駄々こねる風磨くんだったが、「おれはヴァサイェガのこと一生恨むと思う」と言いながら手紙を開く。どうしても(泣いちゃうから)読みたくないと渋る風磨くんだったけど、お客さんの「読んでー!」の押しで、「よし!大丈夫だ!」と泣かないよう頑張って読み始める。髙地くんからの手紙を読み始めた途端涙ぐんで「ちょっとダメだ」と言い背中を向けた風磨くん。「髙地とか北斗とか一緒にグループやってた人からだとダメなのよオレ。布団が吹っ飛んだとかでも泣いちゃうのよ。」半分冗談で、半分本音なんだろうなと思った。本当に何度も何度も背中を向けてしばらくしたら読み始めて、でもすぐ背中向けちゃって…そんな繰り返しで。最後の樹くんからの手紙で、「家で読んできていい?あとでLINEで送るから!」って言う風磨くんに、家で読まれるのは嫌だけどLINEしてくれるなら…と少し考えちゃうお客さんたち。送るわけないって分かってても脳は正直だ。一瞬「え…っと…」ってなる会場が最高に面白かった。

樹くんから手紙の冒頭「もう後悔はないか?」の文字が目に入った途端に感極まってしまって背中を向ける。私たちに「後悔はない?後悔しないように生きろよ」って言ってくれてた風磨くんだったけど、きっと風磨くん自身、過去を振り返れば後悔なんて山ほどだったと思う。後悔しない人間なんていないから。B.I.Shadowとしてではなく、SexyZoneとしてデビューしたことも当時は心残りな事だったかもしれない。それでも今は「Sexy Zoneが好き。」「Sexy Zoneにいる自分が好き。」そう言ってくれるのが本当に嬉しい。

「もう後悔はないか?最高のライブになったか?俺は最高の5日間を過ごしたよ。出会って10年目のお前に言うことは特にない!だから感謝だけ伝える。俺にステージを与えてくれてありがとう。これからも可能な限りお前のステージに立ち続けるよ。ヤーマン! by樹」

涙しながら一言ずつためて読む風磨くんに「がんばれ」という声援が響く。読み終わってなかなか振り返らない風磨くんは背中を向けながら私たちに「もう後悔はなはない?」と聞いてくる。「何があるか分からないから、この今を絶対後悔なく生きようよ。自分なんか、って思うこともあるかもしれないけど、そういう人が誰かを突き動かしてくれてるかもしれないんだし、少なからずみんなの笑顔が俺らを突き動かしてくれてるわけだから、絶対、後悔なく、負けんじゃねーぞ。」風磨くんが伝えてくれることはいつも勇気や希望を与えてくれる。綺麗事と言われればそうなるかもしれないが、彼は人生をかけてアイドルをしていて、そのアイドルとして私たちに人生を後悔なく生きろと言ってくれている。こんなアイドルどこを探してもいないだろう。何度だって、風磨くんに出会えてよかったと思う。彼のファンでいられて良かったと。

『素晴らしき世界』中盤でSixTONESのみんなが出てきて一緒に歌う。その時の嬉しそうな、でも少しどこか寂しそうなくしゃっとした風磨くんの笑顔は忘れられない。僕らは泣いて笑って、それでも明日を夢みていく。「これからが素晴らしき世界」最後の曲が仲間へ向けた曲。7人が横に並んで歌う姿がとてつもなく切なくて、強くて、美しかった。最終電車に乗って彼は自分の街へと帰る。

最後に風磨くんを真ん中に、7人の集合写真を撮る。

けれどフレームに入った写真に風磨くんは写っていなかった。

ステージの上から大きな白い幕が下り、そこに英語の語りと共に映し出される。

 

ジェシー

今日もまた1日が終わろうとしている。

最後にみんなでこんなに笑いあったのはいつだっただろうか。

10年前に止まってしまった時計の針が動き出した気がした。

みんなそれぞれ別々に日々とたたかっていても、

同じ夜を乗り越えて、同じ朝日を待とう。

なんでもない今日は昨日の誰かが夢見た明日だから。

今この時は10年前のあの時7人で夢見た未来だから。

不可能なのはわかってるけれど、もう一度だけあいつに会ってみたいな、風磨に。

今の僕たちに会ったらなんて言うかな。

でも、僕だけかもしれないけど、

不思議と風磨の声を聞いた気がした。

笑いあった気がした。

一日だけ戻ってきたのかな、あいつ。

俺たちのそばにいたのかな。

なんてね。

そんなわけないか。

今この一瞬の時の流れも、

あいつも…

もう戻ってこないんだもんな。

だから、悔いがないように今を生きる。

ありがとう。

またね。

 

一つだけ願い事を叶えられないだろうか。

もし叶うなら…

あいつらから今日の記憶を消してほしい。

僕と一日一緒にいた記憶を。

僕の分まであいつらには今を生きてほしいんだ。

後悔なく。

永遠に生きるつもりで夢を抱け。

今日死ぬつもりで生きろ。

最後に 僕が消える前に

一つだけ確認させてくれ。

── 風 is I ?

 

“風 is I ?” 自分の存在意義を確認するかのように 、これでいいんだよな?とでも言うかのように問う。“私は誰だ?”と。

22歳になった風磨くんも、その記憶も消された。12歳の彼はもういない。SixTONESの、モノトーンな衣装から徐々にカラフルな衣装に変わって行くのは彼らの時計の針を示しているのか。それに対してもう二度と時計の針を動かせない風磨くんは最後までモノトーンのままだった。切ないけれど美しい、一時の、「たった一日の物語」だった。

 

アンコール

幕の裏から「まだ歌える?踊れる?」そう聞いてくる。「歌える!踊れる!」と答えると「じゃあ行こうか!」その声が優しすぎる、好きすぎる。

 『Party up!』『HEY WHAT UP?』『Oh Yeah!』もう12歳の風磨くんはそこにはいなかった。そこにいるのは22年間を生きたアイドルの風磨くんだった。自分自身のソロ、赤西くんの曲、嵐の曲、今の風磨くんを作り上げてくれた曲を集めたような選曲。

 「きっとダサくてもいいから 思い出全部笑顔で埋めて」「後悔しないでいこう 恥捨てていこう」HWUでとっっても好きな歌詞だ。風磨くんのように笑われても俺は俺、私は私、でいられる人ってものすごくかっこいい。

「歌おうぜ!」の言葉を合図に『Oh Yeah!』を最初から最後まで一緒に歌った。めちゃくちゃ楽しかった。みんなの歌声が風磨くん本人も笑っちゃうくらいすごく盛り上がっていて、本当に本当に幸せな空間だった。

 

 最後の挨拶

始めに楽しかった?って3回も聞いてくる風磨くんはずるいでしかなかった。

「そんな楽しいライブを一緒に作ってくれた仲間を紹介します!ジャニーズJr!まだグループに所属していないとてもプレーンな状態を保っております。関係者各位の皆様どうぞ宜しくお願い致します。そしてそして!SixTONES!田中樹!森本慎太郎!髙地優吾!松村北斗ジェシー!そして、オレ!そしてそして〜客!\フーー⤴︎ ⤴︎/ じゃあ最後に行きますか!お客さんと僕たち7人で風 is I ?ですからね??これが今年の夏最後ですからね??全員で手つなごうよ。お客さんもさ。」

「客!」であるファンのみんなが手を繋ぐ。隣の人とすいませんすいません言いながらしっかりと繋いだ手。一列に並んで両端にいるメンバーもお客さんと手を繋ぎ、会場みんなが確実に一つになれた瞬間だった。

「We are ?」

「「風 is I ?」」

響き渡る歓声と、飛び交う「ありがとう」という言葉。楽しい楽しい時間をありがとう。世界一最高のライブをありがとう。

最後に、「言っとくけど!SixTONES泣いてたからね!!」と言い残して去って行った風磨くん。自分だけ泣いてると思われていたことへの照れ隠しかな。最高に幸せそうな風磨くんの笑顔が私に元気をくれる。

 

ダブルアンコール

鳴り止まない風磨コールに「そんなに声出ちゃあねぇ〜」と言いながら出てきてくれ、MyLifeを歌ってくれた。いや、一緒に歌った。中盤で風磨くんがSixTONESのメンバーと一人ずつ肩を抱き合っていた。その後みんなを集めて一列になって肩を組んだ。それは「ありがとう」の意味だったのかな。最後に「みんなgood lifeしてる?」なんて聞いてから「Welcome to the good life」と歌う風磨くんは本当にずるい人だ。

 

SixTONESからのコメント

樹「また来年あったら、会えたら嬉しいです。」

風磨「クールだねぇ〜 さっき裏で泣いてたのに」

慎太郎「ざいましたーーーーーーーー!!去年も、今年もつかせて頂いたので、樹同様また来年もSixTONESとして立てたらなと思います。」

髙地「風磨とは昔からやってきてて、今回はバックについて少しはダンス上手くなったかなと思います(笑) これからも負けないように頑張ります!風磨にはほんとに感謝です!」

北斗「照れくさいですね(笑) 悔しい思いをしたステージとか苦い思いをしたステージって、俺は風磨が出ることに対して思ったことは一度もなくて、呼びづらいって言ってたけど呼んでくれよ!」

風磨「じゃあ次からは乱雑に扱おうと思います」

京本「風磨の人柄が素敵に出たライブだったなって思いますお客さんだけじゃなくて、スタッフさんとかバックの俺らを一つにする才能があるから、僕の方が先輩だけど勉強になりました。」

ジェシー「去年見に来た時、一つになってるなあと思って、まさか今年グループとして風磨のバックに出れると思わず、楽しくて毎日オールバックでバックダンサーの気分でいました(笑)」

風磨「不思議な関係性なんだけど、Jrの頃からずっと一緒にやってきた仲間で、グループが違ったりすると本人同士は思ってなくてもなんとなくギクシャクしちゃったりすることがあると思うけど、みんなはそういうの無くて、全力で立たせてくれて徹してくれて、こんないいグループないと思います。こいつらめちゃくちゃすごいからSexy Zoneも負けないように頑張っていきたいと思うし、またなにか一緒に出来ればなと思います。スタッフさんもJrもみんなに感謝感謝の夏、でした!」

最後の最後に噛んでしまった風磨くんに、会場が「かわいい〜」の嵐で笑ってしまった。かわいいですよね〜!かっこいいけどやっぱりそういうとこ天然のかわいいですよね〜〜!

 

「ここにいるみんなやあいつらも、ここにいない仲間たちもそうだけど、仲間には恥じない生き方をしたいですね。だから自信を持ってこれが我が道だと言える人生にしたいです。みんなもね。バイバイ。」

「仲間に恥じない生き方をしたい。」と多くの人を前にして宣言できる22歳の菊池風磨くんに期待と信頼しかない。数年前からずっと、彼が私たちファンに伝えようしてくれていることは、悔いのないように生きること、今この瞬間は二度と戻らないということだった。決して押し付けてくるわけではなくて、一つの生き方として教えてくれる。彼の生き方はほんとにかっこいい。風磨くんを好きなって心から良かったと思える。自惚れで気持ち悪いかもしれないけれど、風磨くんが好きな自分も好き。こんなに人を突き動かしてくれる人間くさいライブは後にも先にも風磨くんがつくるライブくらいなんじゃないか、って本気で思う。

Sexy Zoneに帰った風磨くんは、次はどんな景色を見せてくれるのかな。

 

「また遊ぼうね」

そう言って風磨くんはまた目に見えない言の葉を置いて行く。ほら、ずるいでしょ。

 

何度も何度も風磨くんのずるいとかわいいとかっこいいが更新されていく。

  

最高の夏をありがとう。

 

 

2017.08.18